1. パキスタン政府の輸入政策命令(IPO)と適格スキーム

パキスタンへの日本中古乗用車輸入は、国内自動車産業の保護と外貨管理の観点から、商業省(Ministry of Commerce)が発令する「輸入政策命令(Import Policy Order)」によって厳格に統制されています。一般商業業者による無制限の中古車輸入は禁止されており、主として海外在住パキスタン国民(Non-Resident Pakistanis)に付与された以下の3つのスキームを通じてのみ合法的に輸入が許可されます。

  • 個人手荷物スキーム(Personal Baggage Scheme):海外に一定期間以上継続して合法的に滞在し、パキスタンへ帰国する居住者が自己の用途のために車両を持ち込む枠組み。
  • 転居スキーム(Transfer of Residence - TR Scheme):海外滞在を終えて本国へ完全帰任する在外パキスタン人が生活資材の一部として車両を輸入する枠組み。最も滞在期間の証明要件が厳格です。
  • 贈与スキーム(Gift Scheme):海外在住者が、パキスタン本国に居住する近親者(父母、配偶者、実子、実兄弟姉妹)に対して無償で車両を贈与する枠組み。親族関係証明書の提出が必須となります。

2. WeBOCおよびPSWオンライン通関システムの流れ

現在、パキスタン税関におけるすべての輸入手続きは、WeBOC(Web Based One Customs)および新世代のPSW(Pakistan Single Window)ポータルを介して完全電子化されています。

  1. 船荷証券(B/L)のマニフェスト登録:本船出航後、船会社代理店が電子積荷目録(IGM - Import General Manifest)をカラチ税関システムへ登録します。
  2. 電子輸入申告(GD入力):現地の公認通関業者(Customs House Agent)が、ニホンショウカイから送付されたインボイス、輸出抹消登録証明書、B/L原本をもとに申告データを送信します。
  3. 関税査定と支払い:FBRの現行関税率表(HSコード第87類)に基づき、排気量別の固定米ドル関税額が算出され、銀行経由で国庫へ納付されます。
  4. 実車検査とゲートパス発行:カラチ港ヤードにて税関職員立ち会いのもと、車台番号(Chassis Number)の打刻改ざんがないか検査され、合格後に車両が出場可能となります。

3. カラチ主要港(KICT・PICT・QICT)での保税管理

日本からの自動車運搬船(RoRo船)およびコンテナ船は、主にカラチ港の3つの主要ターミナルに接岸します。入港後の保管料(デマレージ)は着岸後一定の日数を経過すると急速に高額化するため、ニホンショウカイでは本船出港から10日以内にすべての書類原本をお客様のお手元にお届けする体制を確立しています。